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寺川 剛

研究概要

粗視化分子動力学シミュレーション、1分子蛍光イメージング、ナノポアシーケンシングなどの手法を用いて、タンパク質の分子機構を研究しています。特にDNAの転写・複製・修復・高次構造形成に関わるタンパク質の分子機構に興味があり、それらの分子機構を物理法則にもとづいて理解したいです。そのためには実験・理論・シミュレーションの密な協調が不可欠だと考えています。「独創的な研究で世界を少しだけ驚かせたい」という思いで日々研究をしています。

経歴

プロジェクト Full Publications

MutS Corkscrewing
粗視化分子動力学シミュレーションを用いて、DNA塩基対ミスマッチ認識タンパク質であるMutSがDNAに沿ってくるくると回りながらスライディングするダイナミクスを可視化しました。その結果、DNAの曲がりに応じてMutSの拡散速度が変化することがわかりました。
Lane Switch on Nucleosome
粗視化分子動力学シミュレーションの結果を、生化学実験とナノポアシーケンシングで検証することで、RNAポリメラーゼや複製ヘリカーゼが、ヌクレオソームをDNAに沿ってスライディングさせることを明らかにしました。その分子機構として「レーン・スイッチ機構」を提唱しました。
Condensin is a Motor
DNAカーテンデバイスを用いた1分子蛍光イメージングによって染色体の高次構造形成に関わるコンデンシンタンパク質が分子モーターであることを明らかにしました。研究の成果はScience誌に掲載され、表紙を飾りました。引き続き、モーターとして働く分子機構を研究しています。
p53 Dancing on DNA
粗視化分子動力学シミュレーションを用いて、がん抑制性転写因子がその認識DNAサイトを探してDNA上をスライディングするダイナミクスを可視化しました。その結果、C末端天然変性領域でDNA上を拡散しながら、DNA結合領域がダンスするように認識サイトを探すことが示唆されました。